大阪市福島区の西川一博税理士事務所です。
今回は企業の必要経費について記載いたします。
○ 必要経費について
必要経費について、文字通り、総収入金額を得るために必要な経費です。具体的に言えば、売上原価、販売費及び一般管理費等です。
税務署に提出する青色申告決算書には売上原価、経費、各種引当金・準備金等に分類されています。
少し個別に見ていきましょう。
・ 売上原価
売上原価=期首商品棚卸高+仕入金額-期末商品棚卸高 です。
何を計算しているかお分かりでしょうか。期首や期末の棚卸高を無視すればわかりやすいかと思います。売上に対する仕入値です。棚卸高というのは、簡単に言えば売れ残りです。
前年の売れ残りに今年の仕入を加算すれば、今年手元にあった商品のすべてになります。じゃあ、どれだけ売れたのでしょうか。
一つ一つ数えていたらわかりますが、実務上無理があります。でも、年末に売れ残っている商品は数えやすいですよね。
というわけで、手元にあったすべての商品から年末の売れ残りを減算すれば、今年売れた分がわかるというわけです。
総収入金額のところでお話したのと同様(こちらはお金の受取じゃなく支払です)、お金の授受は関係ありません。商品が手元にあれば、仕入として計上し、売れ残っていれば期末棚卸高に算入します。
・ 経費(販売費及び一般管理費等)
青色申告決算書の順番に見ていきましょう。
そうそう、後でまとめて言いますが、私的な出費はくれぐれも計上しないでください。
租税公課――「租税」とは文字通り税金で「公課」とは公的な負担金を言います。
ただし、税金といってもすべてが該当するわけではありません。所得税、住民税は除きます。印紙税や自動車税、固定資産税等が該当します。
公課は、団体に対する会費や印鑑証明等の手数料が該当します。
荷造運賃――商品発送にかかる費用です。
水道光熱費――電気水道ガス等の使用料です。
通信費――電話(携帯)、郵送料等です。
広告宣伝費――新聞、チラシ、TV、インターネット等の広告、求人広告等です。
接待交際費――得意先との飲食、ゴルフ等、慶弔費等です。
損害保険料――火災保険、自動車保険等です。
修繕費――自動車、機械、工場等の修繕です。
消耗品費――いわゆる消耗品です。蛍光灯、文具等いろいろあります。
減価償却費――後述します。
福利厚生費――従業員に対する社会保険料、慶弔費、忘年会等です。
給料賃金――親族以外のものです。
外注工賃――内職はこっちに該当します。
利子割引料――金融機関以外も含まれます。「利子」は借入金の利息、「割引料」は受け取った手形を割引いたときに発生します。
地代家賃――「地代」は土地の使用料、「家賃」は建物の使用料です。
貸倒金――売上代金が回収できなくなったときに計上します。いろいろ用件がありますので、自己判断は禁物です。
雑費――これらのいずれにも該当しないものです。
できればどれかの科目に計上して、極力「雑費」は使用しないでください。決算書には空欄が6個ありますので、特殊な科目をつくるのもOKですから。