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会社設立をすべきか判断するポイント
事業は自分のみで対応可能な範囲か
自分が行おうとしている事業が一人で対応できる範囲かどうかを判断することが重要です。
個人事業主の場合、基本的に事業は自分ひとりで行います。
しかし、事業の内容が複雑で、自分だけでは対応できない場合、または事業に必要な知識やノウハウが不足している場合には、共同出資者や従業員を必要とすることが考えられます。
そうした場合には、会社を設立することを検討するべきでしょう。
また、特定の事業は法人でなければ扱えない場合もあるため、注意が必要です。
事業の資金は自己資金で賄えるか
事業を始める際に必ず考えなければならないのが資金の問題です。
個人事業主の場合、銀行からの融資を受けるのは難しいことが多いため、まずはどの程度の事業資金が必要かを明確にし、その資金を自分で賄えるかどうかを検討することが大切です。
必要な資金を自己資金だけで賄うのが難しい場合、会社を設立して法人格を取得することで、融資を受けやすくなる可能性があります。
事業を拡大したいのか
将来的に事業を拡大したいと考えている場合も、会社設立を検討する重要な要素となります。
事業を拡大すると、必要な資金が増え、所得も増加します。
事業規模の拡大を目指すのであれば、融資を受ける際の信用力や節税の観点から、会社を設立する方が有利になるでしょう。
また、法人化することで、より大きな取引先とのビジネスがしやすくなるなど、事業拡大に向けた有利な条件が整います。
会社設立の流れ
社名や資本金などの準備
会社を設立するには、まず以下の7つの項目を決めておく必要があります。
- 発起人
- 会社名
- 事業目的
- 本社所在地
- 事業年度
- 資本金
- 会社の機関と役員構成
定款作成
定款は、会社の基本ルールを定めた重要な文書です。
万が一トラブルが発生した際にも対応できるよう、公証役場で認証を受けます。
定款に記載する項目は次の3種類です。
絶対的記載事項
必ず記載しなければならない項目です。「事業目的」「商号」「設立に際して出資される財産の価値またはその最低額」「発起人の名前と住所」が含まれます。
相対的記載事項
記載しなくても良いですが、記載がなければ法的効力が発生しない項目です。
「株式の譲渡」「財産引受」などが該当します。
任意的記載事項
自由に記載できる項目です。
会社法や公序良俗に反しなければ、「事業年度」や「役員の数」などを記載することができます。
資本金の払込
発起人の個人口座に資本金を振り込みます。
発起人が複数いる場合は、代表者の口座に振り込みましょう。
まだ会社は設立されていないため、会社名義の口座は存在しません。
会社設立後に資本金を新たに開設した口座に移すのを忘れないようにしてください。
資本金の払込が完了したら、「払込証明書」を作成し、通帳のコピーと一緒に綴じます。
これは登記申請時に使用します。
登記申請の書類準備
法務局に登記申請するために必要な書類を用意します。
以下の11種類が必要です。
- 登記申請書
- 定款(公証人による認証済のもの)
- 発起人の同意書
- 代表取締役、取締役、監査役の就任承諾書
- 金銭の払込みがあったことを証する書面
- 取締役全員の印鑑証明書
- 取締役の本人確認証明書
- 調査報告書
- 財産引継書
- 資本金の額の形状に関する証明書
- 印鑑届出書
書類に不備がないか、提出前に慎重に確認してください。
印鑑が個人印か代表者印かを間違いやすいので特に注意が必要です。書
類を提出後、不備がなければ5日〜9日で登記が完了します。
登記申請
法人登記とは、会社に関する基本情報を公的機関に登録することです。
登記後は、誰でも会社の事業目的や資本金を確認できます。
登記申請は、管轄の法務局に書面で提出するか郵送、またはオンラインで行うことができます。
登記が完了しても連絡は来ません。
不備があった場合は連絡がありますが、申請時に示された完了期日を過ぎた場合、登記が完了したと考えて良いでしょう。
進捗が気になる場合や、登記が無事に完了したか不安な場合は、法務局に直接電話で確認することをおすすめします。
会社設立後に必要な手続き
役所への届出
会社設立後、まずは税金関連の届出を役所に行わなければなりません。
主な必要書類として、以下の6種類があります。
登記簿謄本
設立登記が完了した時点で取得する書類です。
これを税務署、都道府県税事務所、市町村役所に届け出ます。
定款(株式会社の場合は認証済みのもの)
定款のコピーを税務署、都道府県税事務所、市町村役所に届け出ます。
法人設立届出書
法人設立届出書は、税務署、都道府県税事務所、市町村役所に届け出ます。提出期限は設立後2か月以内です。
青色申告届出書
青色申告を希望する場合、設立後3か月以内に税務署へ提出します。
期限内に提出しないと、初年度の青色申告が適用されず、各種優遇措置を受けられなくなります。
従業員を雇う場合は、さらに以下の書類を提出します。
- 給与支払事業所開設届出書
- 源泉所得税納期の特例届出書
銀行口座の開設
設立登記が完了した後、銀行口座の開設が可能になります。
しかし、会社の銀行口座を開設するのは意外に難しく、審査に1週間から2週間かかることが一般的です。
また、審査に通らないケースも少なくありません。
したがって、必要書類の準備や体裁を整えるなど、事前の準備をしっかりと行うことが重要です。
会社設立の注意点
会社設立時には赤字でも法人税がかかる
個人事業主の場合、所得税は赤字であれば支払う必要がありませんが、法人の場合は法人住民税の均等割があるため、赤字でも法人税を納める義務があります。
法人設立の際は、法人税が必ずかかる点を認識しておく必要があります。
法人税率は一定
法人税率は一定であるため、利益が増えるほど、納める税金は個人の所得税より少なくなることがあります。
しかし、個人の所得税は所得が低いとその分税率も低くなるため、所得が少ない場合には個人の方が税率が低くなることもあります。