- HOME>
- サラリーマンの会社設立節税
全てのサラリーマンが会社設立で節税できる?
サラリーマンが会社設立を通じて節税を図ることは可能な場合もありますが、全てのサラリーマンに適用されるわけではありません。
節税効果が期待できるのは、以下の条件に当てはまる場合です。
副業や投資での追加収入がある方
給与所得以外に年間500万円以上の所得がある場合、会社設立による節税が効果的です。
副業や不動産、株式などの投資収入を含みます。
相続や贈与の対策を考慮している方
財産管理や相続税対策のために会社を設立することで、節税策として効果を発揮することがあります。
これらの条件に当てはまらない、特に給与所得のみの方や、給与所得以外の所得が少ない方には、会社設立による節税のメリットはほとんどありません。
法人としての所得と個人の給与所得は合算できないため、いくら高給取りであっても、会社設立が必ずしも節税に繋がるわけではありません。
サラリーマンが会社設立で節税可能なケース
副業で「事業所得」がある場合
サラリーマンが副業で「事業所得」を得ており、その利益が増加している場合、会社設立によって節税が可能です。
しかし、利益が少ない場合は節税効果が薄くなる可能性があります。
不動産投資で「不動産所得」がある場合
不動産投資で「不動産所得」がある場合、課税所得が900万円を超えると法人化を検討する価値があります。
ただし、個人事業主として不動産所得を申告するだけでも十分な節税効果が得られることが多いです。
株やFXなどの資産運用で「所得」がある場合
株やFX、仮想通貨などの資産運用による所得が増加している場合も、法人化による節税を検討する価値があります。
課税所得が900万円を超えるタイミングで法人化することで、税負担が軽減される可能性があります。
相続税・贈与税対策として会社設立を検討する場合
多額の資産を持つ場合、相続税や贈与税の対策として会社を設立し、資産を法人に移転することで節税が可能です。
ただし、税務署に認められるには慎重な計画が必要なため、税理士に相談することをおすすめします。
サラリーマンが会社設立をすることで得られるメリット
給与所得控除が使える
会社を設立し、役員報酬として収入を得ると、給与所得控除を受けることができます。
また、家族に給与を支払うことで、所得分散による節税が可能です。
経費として計上できる幅が広がる
法人化すると、ジムの利用料や健康診断の費用など、個人事業主では経費にできない項目も経費として計上できるようになります。
消費税が2年間免除される
法人設立後2年間は消費税の納税義務が免除されるため、節税効果があります。
さらに、法人化を繰り返すことで最大4年間の消費税免除が可能になる場合もあります。
決算日を自分で決められる
法人設立後は、事業年度の決算日を自由に設定でき、本業や副業の繁忙期を避けて決算を行うことができます。
社会的な信用度が向上する
法人化により、個人事業主に比べて社会的信用度が向上します。
これにより、取引先や金融機関からの信頼が高まり、事業を進めやすくなります。
サラリーマンが会社設立をする時の注意点
会社設立しても必ず節税できるとは限らない
会社設立が必ずしも節税につながるわけではありません。
サラリーマンが会社を設立して節税するケースはありますが、それは所得や事業の内容、安定性など多くの要因に依存します。
インターネットには「所得が〇円以上なら」という情報があふれていますが、これらはあくまで目安です。
会社設立の費用もかかるため、実際に節税につながるかどうかは、税理士に相談することをおすすめします。
本業の会社にバレる可能性が高い
サラリーマンが節税目的で会社を設立する場合、本業の会社に副業が発覚するリスクがあります。
特に副業が禁止されている職場では、役員報酬の受け取りや会社設立の事実が勤務先に知られることで懲戒処分の対象になることがあります。
副業を禁止する就業規則がある場合は、特に注意が必要です。
会社を設立するには費用と手間がかかる
会社を設立するには、費用と手間が大きなハードルとなります。
株式会社の設立には、最低でも22万円から24万円程度の費用がかかります。
さらに、資本金の準備や様々な書類の準備など、多くの手間が必要です。
これらのプロセスはサラリーマンが本業を持ちながら行うには、相当な労力と時間が要求されます。
確定申告や決算作業が煩雑で大変
法人としての確定申告や決算作業は、個人のそれと比べて遥かに複雑で時間がかかります。
役員報酬を受け取る場合は所得税の確定申告が必要になり、正確な申告と厳密な決算が求められます。
これらの作業をサラリーマンが行うには、大きな負担となり、多くの場合税理士に依頼することになるでしょうが、それには別途報酬が必要です。
赤字でも納税する必要がある
個人事業の場合、赤字であれば納税の必要がありませんが、法人の場合は異なります。
特に法人住民税は、赤字であっても免除されないため、予想外の財政負担となることがあります。
事業や投資が赤字の場合にも納税義務が発生する点には注意が必要です。
廃業時にもお金がかかる
法人を廃業する際にも費用が発生します。「解散登記」や「清算人の選任登記」には、39,000円の登録免許税が必要です。
これに加えて、その他の手続きにもコストがかかるため、廃業を決断する際にはこれらの費用も考慮する必要があります。
会社設立をするか迷っている場合は税理士へ相談を
会社設立には費用や手間がかかり、売上が安定しないと納税負担が増えるリスクもあります。
一方で、法人化のメリットとして信用力の向上や資金調達のしやすさが挙げられますが、節税だけでなく多角的に検討することが重要です。
そのため、会社設立を迷っている場合は、税理士に相談して、自分の状況に最適な判断をすることをおすすめします。
フリーランス・個人事業主サポート