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「フリーランス」「個人事業主」「自営業」の違い
フリーランス
フリーランスとは、特定の会社や団体に属さずに業務を行う「働き方」を意味する言葉です。
一般的なサラリーマンは会社と雇用契約を結んで働きますが、フリーランスは会社に属さず、さまざまな顧客の仕事を請け負います。
フリーランスは働き方を表す呼称であり、法律や税法上の区分ではありません。
個人事業主
個人事業主は、税法上の区分を意味します。
「継続して事業を行う個人」として、税務署に個人事業の「開業届」を提出することで、税法上の個人事業主となります。
これにより、青色申告が利用可能となり、特別控除や専従者給与控除などの税務上のメリットを享受できます。
個人事業主は、あくまで税法上の言葉であり、働き方を表すものではありません。
自営業
自営業は、会社に属さず、自ら独立して事業を営む人を指します。
個人事業主やフリーランスはもちろん、自分で会社を設立して事業を行う会社経営者も自営業者に含まれます。
明確な定義はありませんが、広範な働き方を含む概念です。
「フリーランス」「個人事業主」「自営業」の
メリット・デメリット
フリーランスのメリット・デメリット
メリット
- 仕事の時間や場所が自由に選べる
- 多くの会社と仕事ができる
- 人脈が広がる
- 業種によっては無駄な経費がかからない
フリーランスは納期さえ守れば、働く時間や場所は自由です。
自宅やカフェ、車中など、好きな場所で仕事ができます。
また、複数の会社と仕事をすることで人脈が広がり、新しい契約につながる可能性があります。
さらに、営業経費が少ないため、作業単価が高くなるメリットもあります。
デメリット
- 新規顧客に対する信用力が低い
- 事業規模が小さい
- 収入が安定しない
- 自由な環境ゆえに、生活が乱れやすい
フリーランスは自宅などをオフィスにすることが多く、これが信用力の低下につながる場合があります。
また、事業規模が小さいため、新規顧客を得るのが難しいことがあります。
仕事が安定せず、収入が不安定になるリスクもデメリットの一つです。
個人事業主のメリット・デメリット
メリット
- 青色申告特別控除が利用できる
- 赤字を最大3年間繰り越し可能
青色申告をすることで、「青色申告特別控除」や「青色事業専従者給与控除」などが受けられ、節税効果が期待できます。
また、赤字が出た場合、最大3年間の繰り越しが可能であり、開業初期の売上が不安定な時期に有利です。
デメリット
- 経理業務の負担が増える
- 雇用保険に加入できず、失業給付が受けられない
青色申告特別控除を受けるためには、複式簿記での帳簿作成や、確定申告時の「貸借対照表」と「損益計算書」の作成が必要で、経理業務の負担が増加します。
また、個人事業主は雇用保険に加入できないため、失業した際に失業給付を受けられないというデメリットもあります。
自営業のメリット・デメリット
メリット
- 働く時間や場所を自由に決められる
- 好きなことやアイデアを仕事にできる
- 収入の上限がなく、能力次第で大きな収入を得られる
- 定年退職がない
自営業者は、職種によって働く時間や場所を自由に選べます。
また、自分の好きなことやアイデアを仕事にできるため、会社員に比べて自由度が高いです。
収入に関しても上限がなく、能力次第では会社員より高収入を得られる可能性があります。
また、定年退職がないため、年齢を気にせず働き続けられます。
デメリット
- ケガや病気で働けなくなると収入が途絶える可能性がある
- 確定申告が必要で手間がかかる
- 福利厚生がなく、全てを自分で行う必要がある
自営業者は、ケガや病気で働けなくなった場合、収入が途絶えるリスクがあります。また、確定申告を自分で行う必要があり、会社員よりも手間がかかります。
福利厚生もないため、すべての業務を自分で管理しなければなりません。
「フリーランス」「個人事業主」「自営業」の税金や社会保険について
税金
フリーランス、個人事業主、自営業者が支払う主な税金は、「所得税」「住民税」「個人事業税」「消費税」の4種類です。
所得税
1年間の所得に対して課される税金で、毎年3月15日までに確定申告をして納付します。
所得とは、収入から経費と各種控除を差し引いた金額です。
青色申告を利用すると、特別控除として10万円、55万円、もしくは65万円が適用されます(控除額は帳簿の作成方法や申告書の提出方法によって異なります)。
住民税
住民税は、所得割と均等割から計算され、毎年6月に住んでいる自治体から送付される通知書で納付します。
個人事業税
個人事業税は、個人事業を営むことに対して課される税金で、所得に基づいて課税されます。
税率は業種ごとに異なり、一律ではありません。
消費税
基準期間(前々年)の課税売上が1,000万円以下の個人事業者は、免税事業者となり消費税の納税義務がありません。
ただし、基準期間の課税売上が1,000万円以下でも、特定期間(前年の1月1日から6月30日まで)の課税売上と給与支払額の両方が1,000万円を超えると、課税事業者となり消費税の納税義務が発生します。
保険
サラリーマンからフリーランスや個人事業主、自営業者になると、加入していた健康保険(協会けんぽや組合保険など)から、国民健康保険に切り替える必要があります。
以前勤めていた会社によっては、退職後も一定期間健康保険に加入し続けることが可能な場合もありますが、その場合は保険料の全額を自己負担する必要があります。
年金
フリーランス、個人事業主、自営業者は、厚生年金ではなく国民年金に加入します。しかし、国民年金だけでは将来受け取る年金額が少ないため、「付加年金」「国民年金基金」「小規模企業共済」などの追加対策を検討することが推奨されます。
最近では、iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用する方法も人気があります。
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